自閉症の息子を持つ私が、義両親に「真実」を伝える決意をした理由
自閉症の息子を持つ私が、義両親に「真実」を伝える決意をした理由
この記事では、自閉症のお子さんを持つお母さんが、ご自身の義両親に息子の障害について伝えるかどうか悩んでいるという、非常にデリケートな問題について掘り下げていきます。
この問題は、多くの親御さんが直面する可能性のあるものであり、特に親族との関係性や、子どもの将来への不安が複雑に絡み合っています。
この記事を通じて、読者の皆様が、ご自身の状況に合った最善の選択をするための一助となれば幸いです。
自閉症や発達障害のあるお子さんをお持ちの方、おじいちゃんやおばあちゃんにどうやって告知しましたか?(長文です)
うちには今月3歳になる息子がいます。
1歳10ヶ月で自閉症傾向と診断され、現在自治体の支援センターや病院での療育を受けています。
実は息子の病気の事を主人の両親は知りません。
言うに言えないのです。
それにはいくつかの出来事がありました。
息子がまだ1歳になった頃です。もちろん発達障害があるなどと気づいてない頃ですが、お義母さんが友達の孫の話をしたんです。
『1歳半検診で保健師さんに発達が遅れてるって言われたんだって。お嫁さんがショックで実家に帰っちゃったのよ。ひどい言い方するわよね』
その半年後、私が保健師さんから全く同じことを言われたんです。
すぐにお義母さんの言葉が頭をよぎりました。
その後、友達の孫のその後を聞くことがありました。
今は引っ越して別の街に住んでいるお孫さんは、3歳になっても言葉を発しないと心配していたそうです。
そんな話を聞くと、ますます息子の事は言えなくなっていきました。
息子は義父母には初孫になります。
70歳近くになってからの初孫だったのでとてもかわいがってくれるのですが、『この子は賢い』を一時期口癖のように聞かされ、正直私は苦痛でした。
ちょっと世間体を気にするところもあります。
息子はものすごく人懐っこく、目を合わさない等の典型的な症状がないために障害があるとは気づきにくいです。
ただ、言葉は1語文で発音もはっきりしません。
言葉の遅れは義父母とも気づいていて、かなり気にしているようです。
私は今2人目を妊娠していて、本当は息子が3歳になったら話そうと思ってたのですが、先日また気になる言葉をお義母さんに言われたんです。
テレビで松野明美さんのお子さんがダウン症だというのを見たようで、
『生まれてくる子があんなじゃなければいいね』と。
ちょっと差別的な言葉に私は「そうですね」と言うのが精一杯でした。
病院のカウンセラーや療育相談の先生には『小学校に入学すると知る事になるかもしれないけど、今は無理に話さなくてもいいよ』と言われてます。
主人は話すつもりはないようです。(多分言えないのでしょう)
私の両親は遠くに住んでいて、年に1度くらいしか会えないのですが、自閉症だと知ってます。
他の孫と平等にかわいがってくれ、遠く離れてるせいかとても気にかけてくれてます。
このまま話さなくても問題ないでしょうか?
体験談など、アドバイスをお願いします。
まとまりのない話ですみません。
1. 葛藤の始まり:真実を隠すことの重圧
相談者様が抱える問題は、非常に複雑で、多くの感情が絡み合っています。
自閉症の息子さんを持つ親御さんとしての愛情、義両親との関係性への配慮、そして将来への不安。
これらの要素が複雑に絡み合い、真実を伝えることの難しさを生み出しています。
まず、相談者様が直面している最大の葛藤は、「真実を隠すことの重圧」です。
息子さんの自閉症について、義両親に話せない理由はいくつかあります。
過去の義母の発言や、世間体を気にする性格、そして何よりも、初孫である息子さんへの愛情ゆえの期待。
これらの要素が、相談者様に「言いにくさ」を感じさせているのです。
しかし、真実を隠し続けることは、精神的な負担となります。
常に嘘をついているような罪悪感、いつかバレてしまうのではないかという不安、そして、義両親との間に生まれるかもしれない溝。
これらの感情は、相談者様の心に大きな重荷としてのしかかります。
さらに、相談者様は現在、二人目を妊娠中です。
この状況は、問題解決をさらに複雑にしています。
新しい命を授かる喜びと同時に、息子さんの将来への不安、そして、義両親との関係性への懸念が、より一層強くなる可能性があります。
2. 義両親の言動:無理解と偏見の影
相談者様が義両親に真実を伝えられないもう一つの大きな理由は、義両親の言動にあります。
特に、義母の発言は、相談者様の心に深い傷を残しています。
「1歳半検診で発達が遅れていると言われたお嫁さんが実家に帰ってしまった」という話は、義母が発達障害に対する理解が浅いことを示唆しています。
また、「この子は賢い」という言葉は、息子さんへの過度な期待を意味し、相談者様にプレッシャーを与えています。
さらに、テレビでダウン症のお子さんを見た義母が、「生まれてくる子があんなじゃなければいいね」と言ったことは、差別的な発言であり、相談者様を深く傷つけました。
このような言動は、相談者様が義両親に真実を伝えることをためらわせる大きな要因となっています。
しかし、義両親の無理解や偏見は、彼らの個人的な問題であり、相談者様が抱える問題の本質ではありません。
相談者様は、義両親の言動に振り回されることなく、息子さんのために、そしてご自身の心の平穏のために、最善の選択をする必要があります。
3. 専門家の意見:伝えるタイミングと方法
相談者様は、病院のカウンセラーや療育相談の先生から、「小学校に入学するまで話さなくても良い」というアドバイスを受けています。
これは、必ずしも間違ったアドバイスではありません。
伝えるタイミングは、子どもの成長や、家族の状況によって異なります。
しかし、専門家の意見を鵜呑みにするだけでなく、ご自身の状況をしっかりと見つめ、最適な選択をすることが重要です。
伝えるタイミングを検討する上で、以下の点を考慮すると良いでしょう。
- 子どもの成長: 息子さんの成長とともに、義両親が言葉の遅れに気づき、疑問を持つ可能性が高まります。
小学校に入学する前に、ある程度、真実を伝える準備をしておくことが望ましいかもしれません。 - 家族の状況: 相談者様の精神的な負担が限界に達している場合、早めに伝えることを検討するのも一つの方法です。
また、二人目の出産を機に、家族のあり方を再考することも重要です。 - 義両親の性格: 義両親が、子どもの障害について、ある程度の理解を示せる可能性があるのであれば、
早めに伝えることも選択肢の一つとなります。
しかし、理解を得ることが難しい場合は、慎重に準備を進める必要があります。
伝える方法についても、様々な選択肢があります。
直接会って話す、手紙やメールで伝える、第三者(専門家など)を介して伝えるなど、
状況に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。
4. 伝えることのメリットとデメリット
真実を伝えることには、メリットとデメリットの両方があります。
それぞれの側面を理解した上で、ご自身の状況に合った選択をすることが重要です。
メリット
- 精神的な負担の軽減: 真実を隠し続けることによる罪悪感や不安から解放されます。
- 義両親との関係性の改善: 義両親が息子さんの状況を理解し、サポートしてくれる可能性があります。
理解を得られれば、より良い関係性を築くことができるでしょう。 - 子どものためのサポートの獲得: 義両親が、療育や教育に関する情報を提供したり、
経済的な支援をしてくれる可能性があります。
家族全体で子どもを支える体制を築くことができます。 - 将来への備え: 息子さんが成長するにつれて、義両親も状況を理解し、受け入れる準備ができるかもしれません。
将来、子どもが自立する上で、家族のサポートは非常に重要です。
デメリット
- 義両親との関係性の悪化: 義両親が、子どもの障害を受け入れられない場合、関係性が悪化する可能性があります。
しかし、これは、事前に予測できる範囲のことです。 - 義両親からの過度な干渉: 義両親が、子どもの療育や教育に過度に干渉する可能性があります。
しかし、これは、適切な距離感を保つことで、ある程度防ぐことができます。 - 周囲からの偏見: 周囲の人々が、子どもの障害に対して偏見を持つ可能性があります。
しかし、これは、社会全体の問題であり、家族だけで解決できるものではありません。
これらのメリットとデメリットを比較検討し、ご自身の状況に合った選択をすることが重要です。
5. 伝えるための準備:心構えと具体的なステップ
真実を伝えることを決意した場合、事前の準備が非常に重要です。
以下のステップを踏むことで、よりスムーズに、そして建設的に、義両親に伝えることができるでしょう。
ステップ1:心の準備
まずは、ご自身の心の準備をしましょう。
義両親に伝えることによって、どのような結果が起こる可能性があるのかを、
冷静に、そして客観的に、予測しておく必要があります。
また、義両親の反応に対して、ある程度の心の準備をしておくことも重要です。
彼らが、すぐに理解を示してくれるとは限りません。
場合によっては、怒りや悲しみ、あるいは拒絶といった感情を示す可能性もあります。
そのような状況にも、冷静に対応できるよう、心の準備をしておきましょう。
ステップ2:夫との話し合い
次に、夫としっかりと話し合いましょう。
夫は、息子さんの父親であり、義両親との関係性も深く関わっています。
夫の協力なしに、義両親に真実を伝えることは、非常に困難です。
夫と、伝えるタイミング、方法、そして、義両親への伝え方について、
事前にしっかりと話し合っておきましょう。
夫が、積極的に協力してくれる体制を築くことが、成功の鍵となります。
ステップ3:情報収集
義両親に伝える前に、自閉症に関する正確な情報を集めましょう。
自閉症は、様々な症状があり、個人差も大きいです。
専門家の意見や、信頼できる情報源から、正しい情報を収集し、
義両親に説明できるように準備しておきましょう。
また、療育や教育に関する情報も集めておくと、
義両親からの質問に、的確に答えることができます。
ステップ4:伝える方法の検討
義両親に伝える方法を検討しましょう。
直接会って話す、手紙やメールで伝える、第三者(専門家など)を介して伝えるなど、
状況に合わせて最適な方法を選ぶ必要があります。
直接会って話す場合は、落ち着いた雰囲気で、
十分な時間をかけて話せる場所を選びましょう。
手紙やメールで伝える場合は、感情的にならないように、
冷静に、そして丁寧に、文章を作成しましょう。
第三者(専門家など)を介して伝える場合は、
信頼できる専門家を選び、事前に相談しておきましょう。
ステップ5:伝え方の練習
義両親に伝える前に、伝え方の練習をしておきましょう。
夫や、信頼できる友人などに協力してもらい、
ロールプレイング形式で練習するのも良いでしょう。
練習を通して、自分の言葉で、
自閉症について説明できるようになることが重要です。
また、義両親からの質問に対して、どのように答えるかを、
事前にシミュレーションしておくことも有効です。
6. 伝え方の具体例:状況に応じたシナリオ
伝える方法や、義両親の性格によって、伝え方は異なります。
以下に、いくつかのシナリオと、それぞれの伝え方の例を提示します。
これらの例を参考に、ご自身の状況に合った伝え方を考えてみましょう。
シナリオ1:義両親が理解を示してくれる場合
状況: 義両親が、子どもの障害について、ある程度の理解を示し、
積極的にサポートしてくれる可能性がある場合。
伝え方の例:
「お父さん、お母さん、今日は、どうしてもお話したいことがあって来ました。
実は、〇〇(息子さんの名前)のことなんですが、
〇〇は、現在、自閉症という診断を受けています。」
「自閉症は、生まれつきの脳の機能障害で、
コミュニケーションや社会性に、困難を抱えることがあります。
〇〇は、言葉の発達が少しゆっくりで、
人との関わり方も、少し独特なところがあります。」
「〇〇は、現在、療育を受けていて、
少しずつ成長しています。