「自閉症じゃない」と言われたけど…発達障害の診断と、子どもの個性を見つけるキャリア支援
「自閉症じゃない」と言われたけど…発達障害の診断と、子どもの個性を見つけるキャリア支援
この記事では、お子さんの発達に関するご心配と、将来のキャリアを見据えた考え方について、具体的なアドバイスを提供します。お子さんの特性を理解し、その個性を活かせるような進路選択を一緒に考えていきましょう。
小5の息子について、担任の先生から「多分自閉症だから児童相談所へ行って相談して欲しい」と言われました。
児童相談所では、まず専門医に診察してもらうよう言われて大学病院へ行きました。
医師や心理士さんと、子供だけの面談、母親と父親が各々面談を受けた後、両親だけ診察室に呼ばれました。
医師が「自閉症じゃないよ。別に普通でしょ。」と簡単に言うため、心配で発達検査をしてほしい(担任からも勧められました)と強く頼みましたが「必要ない」と受けいれませんでした。
担任に連絡すると「アスペルガーという自閉症は、一見普通だから、普通の医者じゃわからない。ニートや引きこもり、有名大学出ても内定取れないのは、そういう人達」と教えられました。
心配で毎晩ネット検索で自閉症などを調べると、息子にあてはまるようなあてはまらないような、、
仕方ないので、発達検査をしてくれる小児神経科や児童精神科を探してもう一度行くつもりですが、自閉症や発達障害かどうか、という正確な診断はどのようにしてされるのでしょうか。
また、アスペルガーというのは、そうであったとしても診断されることは少ないのでしょうか。
よくご存知の方にお願いします。
なお、地域の発達支援センターで診てもらったら「療育は入れないけれど、育てにくい等の事情があれば、相談にのります」と言われました、、？
息子は、妹達の面倒や家の仕事(飲食店)をよく手伝い、町内会の青年部やお祭りにも参加するほど活発で社交的です。習い事は、仲良しの友達と一緒に、公文と習字とサッカー。どれも、人並みかな。
担任が自閉症と思われた理由は、体育でドッジボールをした時、アウト等の先生の判断にとても反発して、その後の授業もかなり反抗的な態度で、次の日も何度も言ったのに宿題をやって来ないことがあったらしく、切り替えが苦手で拘りが強いという指摘でした。また、それ以来、息子は先生の目を見ず、話しかけても返事をしない等の行動がよくあるそうです。
この件を息子に尋ねたら、「結局、学校ではアイツ(先生のことです、スミマセン)がルールで、アイツが全部決めるんだ。アイツ、サイテーだよ。もうこの話、したくない」と言うだけで、何だかわかりません。同級生に聞いてもいいのですが、そこまでするのも、、と迷ってます。
お子さんの発達に関するご心配、大変お察しいたします。担任の先生からの指摘や、医師の診断結果とのギャップ、そして息子さんの反応など、様々な情報が錯綜し、不安な気持ちでいっぱいだと思います。この記事では、発達障害の診断プロセス、アスペルガー症候群に関する情報、そしてお子さんの個性を見つけ、将来のキャリアにつなげるためのヒントを提供します。専門的な知識と、具体的なアドバイスを通じて、少しでもあなたの不安を解消し、前向きな一歩を踏み出すお手伝いができれば幸いです。
1. 発達障害の診断プロセス：正確な診断とは？
発達障害の診断は、専門家による多角的な評価に基づいて行われます。診断のプロセスは、お子さんの状態を正確に把握し、適切なサポートを提供するために非常に重要です。
1-1. 診断の流れ
- 予備的な情報収集: まずは、お子さんの生育歴、現在の行動、学校での様子など、詳細な情報を収集します。これは、保護者の方への問診、学校の先生からの情報提供、場合によっては、過去の医療記録などを通じて行われます。
- 専門医による診察: 小児神経科医、児童精神科医などの専門医が、お子さんと直接面談し、行動観察を行います。また、保護者の方との面談を通じて、お子さんの困りごとや特性について詳しく聞き取ります。
- 発達検査: 必要に応じて、発達検査を行います。発達検査には、知能検査（IQ検査）、発達検査（発達年齢を測る検査）、自閉スペクトラム症の診断を補助する検査などがあります。これらの検査結果は、お子さんの認知能力やコミュニケーション能力、社会性などを評価する上で重要な情報となります。
- 総合的な評価と診断: 収集した情報、診察の結果、発達検査の結果などを総合的に評価し、診断を行います。診断名は、DSM-5（精神疾患の診断と統計マニュアル第5版）やICD-11（国際疾病分類第11版）などの診断基準に基づいて決定されます。
- 診断結果の説明とサポートプランの提案: 診断結果は、保護者の方に丁寧に説明されます。そして、お子さんの特性に合わせた具体的なサポートプラン（療育、教育的支援、行動療法など）が提案されます。
1-2. アスペルガー症候群の診断について
アスペルガー症候群は、自閉スペクトラム症（ASD）の一種であり、社会的なコミュニケーションや対人関係に困難さが見られることが特徴です。しかし、知的な遅れを伴わない場合が多く、診断が難しいことがあります。アスペルガー症候群の診断は、以下の点を考慮して行われます。
- 社会性の問題: 対人関係を築くことの難しさ、共感性の欠如、非言語的なコミュニケーション（表情やジェスチャー）の理解の困難さなど。
- 興味や行動の偏り: 特定のテーマへの強いこだわり、反復的な行動やルーティンへの固執など。
- 感覚過敏: 特定の音、光、触覚などに対する過敏さ。
アスペルガー症候群の診断は、専門医による詳細な観察と、保護者からの情報提供に基づいて行われます。診断基準を満たしていても、特性が軽度であったり、他の問題（例えば、ADHDなど）と区別がつきにくい場合など、診断が難しいこともあります。
2. 担任の先生の指摘と、息子さんの反応
担任の先生が息子さんの行動について指摘された点、そして息子さんの反応について、詳しく見ていきましょう。これらの情報は、お子さんの特性を理解し、適切なサポートを考える上で重要な手がかりとなります。
2-1. 担任の先生の指摘内容
担任の先生は、以下の点に注目して、息子さんの特性を懸念されたようです。
- ドッジボールでの反発: ルールに対する強いこだわり、自分の意見が通らないことへの不満。
- 授業への反抗的な態度: 指示に従わない、宿題をしないなど、学校でのルールや課題への抵抗。
- 切り替えの苦手さ: 一度決めたことへのこだわりが強く、柔軟な対応が難しい。
- 先生への対応: 目を合わせない、話しかけても返事をしないなど、コミュニケーションの困難さ。
これらの行動は、自閉スペクトラム症（ASD）や注意欠如・多動性障害（ADHD）などの発達障害に見られる特性と重なる部分があります。しかし、これらの行動だけですぐに診断が確定するわけではありません。専門家による詳細な評価が必要です。
2-2. 息子さんの反応
息子さんの「学校ではアイツ（先生のこと）がルールで、アイツが全部決めるんだ。アイツ、サイテーだよ。もうこの話、したくない」という言葉からは、学校での状況に対する不満や、先生との関係性に対する抵抗感が読み取れます。また、この件について話すことを拒否していることから、自分の気持ちをうまく表現できない、または、周囲に理解してもらえないという不安を感じている可能性も考えられます。
息子さんの反応は、発達障害の有無を判断する上で重要な要素となります。しかし、単なる反抗期や、学校生活への適応の難しさなど、他の要因も考えられます。専門家は、これらの情報を総合的に判断し、お子さんの状態を評価します。
3. 発達障害とキャリア：個性を活かす進路選択
発達障害のあるお子さんの場合、将来のキャリアについて、様々な不安を感じるかもしれません。しかし、適切なサポートと、お子さんの個性を活かせる環境を見つけることで、輝かしい未来を切り開くことができます。
3-1. 強みを活かすキャリア選択
発達障害のあるお子さんには、以下のような強みを持つ方が多くいます。
- 特定の分野への深い知識と集中力: 専門性の高い分野での活躍が期待できます。
- 高い知的好奇心: 探究心や学習意欲が高く、研究職などに向いている場合があります。
- 几帳面さ、正確性: 細かい作業や、正確さが求められる仕事で力を発揮します。
- 独創的な発想力: 既存の枠にとらわれない、新しいアイデアを生み出すことができます。
これらの強みを活かせるキャリアとしては、以下のようなものが考えられます。
- ITエンジニア: プログラミングやシステム開発など、集中力と論理的思考力が活かせる。
- 研究職: 特定の分野への深い知識と探究心を活かせる。
- デザイナー: 独創的な発想力や、細部へのこだわりを活かせる。
- 専門職（会計士、弁護士など）: 専門知識と、正確性が求められる仕事。
3-2. キャリア支援の活用
発達障害のあるお子さんのキャリアを支援するサービスは、数多く存在します。これらのサービスを活用することで、お子さんの強みを最大限に活かし、自分らしいキャリアを築くことができます。
- 就労移行支援事業所: 就職に必要なスキルや知識を習得するための訓練を受けられます。
- ハローワーク: 障害者向けの求人情報を提供し、就職活動をサポートします。
- 障害者就業・生活支援センター: 就職に関する相談や、職場定着のための支援を行います。
- 大学・専門学校のキャリアセンター: 障害のある学生向けのキャリア支援を提供している場合があります。
これらのサービスを利用する際には、お子さんの特性や希望に合った支援を選び、積極的に活用することが大切です。また、家族や周囲の理解とサポートも、お子さんのキャリア形成にとって重要な要素となります。
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4. 家庭でのサポート：子どもの自己肯定感を育む
お子さんの自己肯定感を育み、自信を持って将来のキャリアに向かえるように、家庭でのサポートは非常に重要です。具体的にどのようなことを心がければ良いのでしょうか。
4-1. コミュニケーションの工夫
お子さんとのコミュニケーションは、信頼関係を築き、自己肯定感を高める上で不可欠です。以下の点を意識しましょう。
- 傾聴: お子さんの話をよく聞き、共感的な態度で接しましょう。話の途中で遮ったり、否定的な言葉を投げかけたりすることは避け、最後までじっくりと話を聞くことが大切です。
- 肯定的な言葉: 頑張りを認め、褒める言葉を積極的に使いましょう。「すごいね」「よくできたね」「頑張ったね」など、具体的な行動を褒めることで、お子さんの自己肯定感は高まります。
- 感情表現: お子さんの感情を理解し、言葉で表現する手助けをしましょう。「つらいね」「悲しいね」「嬉しいね」など、お子さんの気持ちに寄り添うことで、安心感を与え、自己理解を深めることができます。
- オープンな対話: 疑問や不安を抱えている場合は、隠さずに話し合いましょう。質問に答えるだけでなく、一緒に考える姿勢を見せることで、お子さんは親との信頼関係を深めることができます。
4-2. 個性を尊重する
お子さんの個性や特性を理解し、受け入れることが重要です。他の子と比較したり、無理に矯正しようとすることは避けましょう。お子さんの良いところを見つけ、それを褒め、伸ばすように心がけましょう。
- 得意なことを見つける: お子さんの得意なこと、好きなことを見つけ、それを伸ばせるような環境を整えましょう。習い事や趣味などを通して、自信を育むことができます。
- 苦手なことをサポートする: 苦手なことに対しては、無理強いするのではなく、必要なサポートを提供しましょう。例えば、宿題のやり方を一緒に考えたり、整理整頓のサポートをしたりするなど、具体的な支援をすることが大切です。
- 自己決定を促す: 自分で考え、決める機会を与えましょう。小さなことから始め、徐々に自己決定の範囲を広げていくことで、自立心を育むことができます。
4-3. 専門家との連携
専門家との連携は、お子さんの成長をサポートする上で非常に有効です。定期的に相談し、アドバイスを受けることで、適切な対応方法を学ぶことができます。
- 医師や専門家との連携: 定期的な診察や相談を通じて、お子さんの状態を把握し、適切なアドバイスを受けましょう。
- 学校との連携: 担任の先生やスクールカウンセラーと連携し、学校での様子や困りごとについて情報を共有しましょう。
- 療育や支援サービスの活用: 療育や支援サービスを利用することで、専門的なサポートを受けることができます。
専門家との連携を通じて、お子さんの特性に合わせた最適なサポート体制を構築し、成長を支えましょう。
5. まとめ：お子さんの未来を共に考える
この記事では、お子さんの発達に関するご心配に対して、診断プロセス、アスペルガー症候群に関する情報、そして将来のキャリアを見据えたアドバイスを提供しました。以下に、重要なポイントをまとめます。
- 発達障害の診断: 専門医による多角的な評価に基づいて行われます。診断の流れを理解し、適切な専門家を探しましょう。
- アスペルガー症候群: 社会性やコミュニケーションの困難さが特徴です。診断の難しさを理解し、専門家の意見を参考にしましょう。
- キャリア選択: お子さんの強みを活かせるキャリアを見つけ、就労支援サービスなどを活用しましょう。
- 家庭でのサポート: コミュニケーションを工夫し、個性を尊重し、専門家と連携することで、お子さんの自己肯定感を育みましょう。
お子さんの発達に関するご心配は、親として当然のことです。しかし、正しい知識と適切なサポートがあれば、お子さんの可能性を最大限に引き出し、輝かしい未来を切り開くことができます。焦らず、お子さんのペースに合わせて、一緒に歩んでいきましょう。
お子さんの未来は、無限の可能性に満ちています。この記事が、少しでもあなたの不安を解消し、前向きな一歩を踏み出すためのお役に立てれば幸いです。
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