1. お子さんのニーズを明確にする

まず、お子さんの現状と将来の目標を具体的に把握しましょう。
以下の点を考慮し、お子さんのニーズを明確にすることが重要です。

• 発達段階: 現在の発達段階（認知、コミュニケーション、社会性、運動能力など）を把握します。
• 得意なこと・苦手なこと: 好きなことや得意なこと、苦手なことや苦手な状況を理解します。
• 興味・関心: どんなことに興味があるのか、どんな活動が好きかを知ることで、放課後デイサービスでの活動内容との相性を確認できます。
• 療育目標: 将来的にどんなことができるようになってほしいか、具体的な目標を設定します。例えば、「コミュニケーション能力を向上させたい」「身辺自立を促したい」など、具体的な目標があると、放課後デイサービスを選ぶ際の判断基準になります。
• 学校との連携: 学校での学習状況や、学校との連携体制についても確認します。

2. 放課後デイサービスの情報を収集する

お子さんのニーズを明確にしたら、次は放課後デイサービスの情報を収集しましょう。
以下の方法で、できるだけ多くの情報を集めることが大切です。

• インターネット検索: お住まいの地域にある放課後デイサービスの情報を検索します。ホームページやブログ、SNSなどを参考に、プログラム内容や施設の雰囲気を把握しましょう。
• 自治体の情報: お住まいの市区町村の福祉課や障害福祉窓口に相談し、放課後デイサービスの一覧や情報を入手します。
• 口コミ・評判: 実際に利用している保護者の口コミや評判を参考にします。
  SNSや地域の情報交換サイト、保護者向けのコミュニティなどで情報を集めましょう。
• 見学: 複数の放課後デイサービスを見学し、施設の雰囲気やスタッフの対応、プログラム内容などを実際に確認します。見学の際には、お子さんと一緒に参加し、お子さんの反応を見ることも重要です。

3. 放課後デイサービスを比較検討する

集めた情報を基に、それぞれの放課後デイサービスを比較検討します。
以下の項目を比較し、お子さんに最適な放課後デイサービスを選びましょう。

• プログラム内容: お子さんの興味や発達段階に合ったプログラムが提供されているかを確認します。SST、学習支援、運動療育、音楽療法、創作活動など、様々なプログラムがあります。
• スタッフの質: スタッフの専門性（保育士、児童指導員、理学療法士、作業療法士など）や経験、資格などを確認します。スタッフの人数や、お子さんへの対応も重要です。
• 施設の環境: 安全で快適な環境であるか、設備（遊具、教材、トイレなど）が整っているかを確認します。
• 送迎の有無: 送迎サービスがあるかどうか、送迎範囲や送迎方法を確認します。
• 費用: 利用料金や、その他にかかる費用（おやつ代、教材費など）を確認します。
• 学校との連携: 学校との連携体制（情報共有、合同での活動など）があるかを確認します。
• 保護者へのサポート: 保護者への相談体制や、情報提供、イベント開催など、保護者へのサポート体制が整っているかを確認します。

4. 見学時のチェックポイント

見学は、放課後デイサービス選びにおいて非常に重要なステップです。
見学時に以下の点をチェックし、お子さんに合った環境かどうかを見極めましょう。

• お子さんの様子: お子さんが楽しそうに過ごしているか、スタッフとのコミュニケーションは円滑かなどを観察します。
• スタッフの対応: スタッフがお子さんの特性を理解し、適切な対応をしているか、笑顔で接しているかなどを確認します。
• プログラムの様子: プログラムの内容や、お子さんの参加状況、スタッフの指導方法などを観察します。
• 施設の清潔さ: 施設内が清潔に保たれているか、安全面に配慮されているかを確認します。
• 保護者への説明: スタッフから、プログラム内容や利用方法、費用などについて丁寧な説明があるかを確認します。
• 質問: 気になることは積極的に質問し、疑問を解消しましょう。

5. 契約前に確認すること

契約前に、以下の点を確認し、後々トラブルにならないようにしましょう。

• 契約内容: 利用時間、利用料金、キャンセルポリシー、その他利用に関するルールなどを確認します。
• 重要事項の説明: 重要事項説明書の内容を理解し、不明な点は質問して解決します。
• アセスメント: お子さんの特性やニーズを把握するためのアセスメント（評価）が適切に行われるかを確認します。
• 個別支援計画: 個別支援計画の内容を確認し、お子さんの目標や支援内容が明確に示されているかを確認します。
• 情報共有: 学校やご家族との情報共有の頻度や方法を確認します。

SST（ソーシャルスキルトレーニング）の重要性

SSTは、社会生活を送る上で必要なスキルを学ぶためのトレーニングです。
具体的には、コミュニケーション能力、対人関係スキル、問題解決能力などを向上させることを目指します。
自閉症のお子さんの場合、言葉でのコミュニケーションが苦手だったり、相手の気持ちを理解することが難しかったりすることがあります。
SSTを通して、これらのスキルを習得することで、学校生活や社会生活における様々な場面で、より円滑なコミュニケーションを図り、人間関係を築くことができるようになります。

• コミュニケーション能力の向上: 言葉での表現力や理解力を高め、相手に自分の気持ちを伝え、相手の気持ちを理解する力を養います。
• 対人関係スキルの習得: 友達との関わり方、トラブルの解決方法、集団行動のルールなどを学び、良好な人間関係を築くためのスキルを身につけます。
• 問題解決能力の育成: 困ったことがあった場合に、自分で考え、解決策を見つけ出す力を養います。
• 自己肯定感の向上: スキルを習得し、成功体験を積むことで、自己肯定感を高め、自信を持って社会生活を送れるようにします。

SSTを取り入れている放課後デイサービスを選ぶ際には、以下の点に注目しましょう。

• プログラム内容: SSTのプログラムが、お子さんの発達段階や特性に合った内容であるかを確認します。ロールプレイング、グループワーク、ゲームなど、様々な方法でスキルを学ぶことができます。
• 専門性: SSTの指導経験や専門知識を持ったスタッフがいるかを確認します。言語聴覚士や臨床心理士など、専門家が関わっている場合は、より質の高い指導が期待できます。
• 個別対応: 個別支援計画に基づき、お子さん一人ひとりの課題に合わせた指導が行われているかを確認します。

生活習慣指導の重要性

生活習慣指導は、食事、排泄、着替え、睡眠など、日常生活における基本的な習慣を身につけるための指導です。
自閉症や知的障害のあるお子さんにとって、生活習慣を確立することは、自立した生活を送るための基盤となります。
生活習慣が整うことで、心身ともに安定し、学校生活や社会生活への適応もスムーズになります。

• 自立支援: 自分自身で身の回りのことができるようになり、自立した生活を送るための基礎を築きます。
• 健康管理: バランスの取れた食事や規則正しい睡眠習慣を身につけることで、心身の健康を維持し、病気を予防します。
• 社会性: 集団生活の中で、ルールを守り、周りの人との協調性を育むことができます。
• 自己肯定感の向上: 生活習慣を身につけ、できることが増えることで、自己肯定感を高め、自信を持って生活できるようになります。

生活習慣指導を取り入れている放課後デイサービスを選ぶ際には、以下の点に注目しましょう。

• 指導内容: 具体的な指導内容（食事の仕方、排泄のトレーニング、着替えの練習など）を確認します。
• 指導方法: 視覚支援（絵カード、スケジュールなど）や、具体的な指示、褒めることなど、お子さんの特性に合った指導方法が用いられているかを確認します。
• 連携: 家庭との連携が取れており、家庭での生活習慣と一貫性のある指導が行われているかを確認します。

プログラム内容の重要性

放課後デイサービスのプログラムは、お子さんの成長を促すための重要な要素です。
お子さんの興味や発達段階に合わせたプログラムを提供している放課後デイサービスを選ぶことで、お子さんは楽しく積極的に参加し、様々なスキルを習得することができます。

• 多様なプログラム: SST、学習支援、運動療育、音楽療法、創作活動など、様々なプログラムが用意されているかを確認します。
• 個別のニーズへの対応: お子さんの特性や発達段階、興味に合わせて、プログラム内容を調整してくれるかを確認します。
• 体験型のプログラム: 実際に体を動かしたり、物を作ったりする体験型のプログラムが豊富であるかを確認します。
• 遊びを通じた学び: 遊びを通して、社会性やコミュニケーション能力、問題解決能力などを育むプログラムがあるかを確認します。
• 季節のイベント: 季節のイベントや行事を通して、社会性を育み、楽しい思い出を作ることができるかを確認します。

スタッフの質の重要性

スタッフの質は、放課後デイサービスの質を左右する重要な要素です。
経験豊富なスタッフや、専門知識を持ったスタッフがいる放課後デイサービスを選ぶことで、お子さんは安心して過ごすことができ、効果的な支援を受けることができます。

• 専門性: 保育士、児童指導員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など、専門資格を持ったスタッフがいるかを確認します。
• 経験: 障害児支援の経験が豊富なスタッフがいるかを確認します。
• 研修: スタッフが定期的に研修を受けて、知識やスキルを向上させているかを確認します。
• コミュニケーション能力: スタッフが、お子さんや保護者とのコミュニケーションを円滑に行えるかを確認します。
• チームワーク: スタッフ同士が連携し、チームとしてお子さんを支援しているかを確認します。
• 温かい対応: スタッフがお子さん一人ひとりに寄り添い、温かく接しているかを確認します。

週2日ずつの利用を検討する

相談者の方の提案通り、SST系の放課後デイサービスと、リトミックやお絵描きなどプログラムを毎日変えている放課後デイサービスを、それぞれ週2日ずつ利用することを検討するのは、非常に良い選択肢です。

• SST系の放課後デイサービス: SSTや生活習慣指導を通して、将来の自立に向けた基盤を築くことができます。厳しめの指導も、お子さんの成長を促す上で、時には必要です。
• リトミックやお絵描きなどプログラムを毎日変えている放課後デイサービス: 好きなことや得意なことを通して、自己肯定感を高め、楽しく過ごすことができます。

このように、それぞれの放課後デイサービスの良いところを組み合わせることで、お子さんの様々なニーズに対応することができます。

「厳しめ」の指導の受け止め方

「厳しめ」の指導について、心配に感じる方もいるかもしれませんが、一概に悪いとは言えません。
自閉症や知的障害のあるお子さんは、時に、明確なルールや指示が必要な場合があります。
厳しめの指導が、お子さんの特性に合っていれば、生活習慣の確立や、社会性の発達に繋がる可能性があります。

• 指導の目的: 厳しさの目的が、お子さんの成長を願うものであり、愛情に基づいているかを確認します。
• 指導方法: 厳しさの中に、褒めることや、励ますことなど、肯定的な要素が含まれているかを確認します。
• お子さんの反応: お子さんが、厳しさに萎縮するのではなく、前向きに取り組んでいるか、成長を感じているかなどを観察します。

もし、お子さんが厳しさに苦痛を感じているようであれば、スタッフに相談し、指導方法を調整してもらうことも検討しましょう。

「勉強系」の要素を取り入れる

支援級に通っているお子さんの場合、学習面での遅れが気になることもあるかもしれません。
放課後デイサービスで、学習支援を取り入れているところを選ぶことも、一つの選択肢です。

• 学習支援の内容: 個別指導、グループ学習、宿題のサポートなど、様々な学習支援があります。
• 学習支援の目的: 学校の授業についていけるようにするためのサポートなのか、将来の自立に向けた基礎学力を身につけるためのサポートなのか、目的を確認します。
• お子さんの興味: お子さんが興味を持っている分野や、得意なことを活かした学習支援を取り入れているかを確認します。

学習支援を取り入れることで、お子さんの学習意欲を高め、自己肯定感を高めることにも繋がります。