小学校入学を控えた自閉症児の進路選択：支援級？特別支援学校？親が知っておくべきこと
小学校入学を控えた自閉症児の進路選択：支援級？特別支援学校？親が知っておくべきこと
小学校入学を控えたお子さんの進路選択は、親御さんにとって大きな決断であり、様々な葛藤を伴うものです。特に、自閉症を伴うお子さんの場合は、将来への不安や、どのような教育環境が最適なのかという悩みは、計り知れないものがあるでしょう。今回の記事では、そのようなお悩みに寄り添い、具体的な情報とアドバイスを提供します。支援級と特別支援学校のそれぞれのメリット・デメリットを比較し、お子さんに合った選択をするためのヒントをお届けします。
自閉症を伴う、中度〜軽度の知的障がい児を育てています。来年は小学校入学という事で、子どもの進路で悩んでいます。子ども6歳、現在保育園年長です。一歳半検診で引っかかり、2歳から週二回ほど療育に通い始めました。自傷や他害が無いことから、療育と同時進行で、普通の保育園でも預かっていただいています。先月、大学病院（療育施設からの紹介）で発達の検査があり、結果はIQ52で、中度から軽度の知的障がいがあり、軽度の自閉症を伴うという診断でした。
子どもの状況ですが、トイレや着替え、お片づけなどの身辺自立は、通常発達のお子さん達と同じぐらいのペースで出来るようになりました。もちろん、気分によって 着替えが遅い時などもありますが、基本的には１人で素早く着替えられます。オムツが取れたのは平均よりも少し早かったぐらいです。
しかし、言葉のやり取り、共同作業などのコミュニケーションが著しく苦手で、大人が間に入らないと同世代のお子さんと上手に遊ぶことが出来ません。
多動はありませんが、他のお子さんがちゃんと聞いていられるお話も、理解できていないためか、ぽかんとして ただ座っているという感じです。（マンツーマンの会話でしたら、なんとか理解できますが、集会などでの大勢に対してのお話は訳が分かっていないという感じです。）
発表会や運動会は、緊張してしまうのか、ただ立っている状態です。（先生のお話では、練習では出来ているとのことです）
文字や数の理解も出来ておらず、6歳になりますが字の読み書きは全くできませんし、絵もグチャグチャしか描けない状態です。興味の差も激しいです。車や家電は大人も覚えるのが難しいような正式名称をすぐ覚え、似たようなものの区別も付くのですが、動物など興味のないものに関しては、四分類ぐらいしか出来ません…。カバのことをカエルさん、ネズミのことを虫と言ったりします。
記憶力は良過ぎて、一歳半ぐらいからの記憶がハッキリしています。また、ピアノを習わせているのですが、通常発達のお子さんと同じぐらいのレベルではあります。
性格は穏やかな方だと思います。お世話好きな同学年の女の子達が周りで色々手助けしてくれて、見ていて微笑ましいです。今のところ、親である私も本人も差し迫って困っていることは無いので療育手帳は取っていません。自治体の対応がとても良く、手帳を持っていなくても保育園で加配の先生にも付いてもらっていますし、紹介していただいた療育機関の先生にも恵まれています。
前置きが長くなりましたが、来年、普通小学校の支援級に通わせるか特別支援学校に通わせるか迷っています。母親としては、普通級には進ませない考えです。主人も支援級、支援学校でも良いと言ってくれています。
療育の先生、大学病院の主治医からは、最終決定は親にあると前置きをされた上で、普通小学校の支援級を勧められています。身辺自立が出来ていること、2歳から普通の保育園でもやって行けていることから、少なくとも小学校低学年のうちは地域の小学校で過ごした方がメリットがあるのではないかという事でした。また、子どもが進学予定の小学校は公立ですが、支援級に力を入れており普通級との交流も盛んに行われているというお話でした。
ですが、IQ52で、支援級でやっていけるのか？という不安があります。支援級だと、もっと軽度のお子さん達が学んでいるイメージなのですが…。私自身、小学校の頃は塾などに通っていたこともあり 授業に付いて行けなかったという記憶はありません。なので、授業に付いて行けない気持ちが正直分からないのです。（分かろうとは努力しているのですが）とても辛いものではないでしょうか？
辛い思いをするぐらいだったら、支援学校で同じぐらいの発達のお子さんと共に学んだ方が良いのでは？と考えてしまいます。でも、それは甘やかしなのかなとも…。
近いうちに、支援学校、支援級の見学に行かせてもらう予定です。子どもには、まだ自分で選択できる力が無いので、親の責任は重大だと考えています。子どもにとって最善の選択をしてあげたいです。
障がい児のお子さんを育てていらっしゃる先輩方や、支援級、支援学校出身の方の貴重なご意見をいただけたらと思い、質問させていただきました。
1. 支援級と特別支援学校、それぞれの特徴を理解する
お子さんの進路を考える上で、まず重要なのは、支援級と特別支援学校がどのような場所なのか、それぞれの特徴を正しく理解することです。それぞれの教育環境には、異なるメリットとデメリットが存在します。お子さんの特性やニーズ、そして将来の目標に合わせて、最適な選択肢を見つけることが大切です。
1-1. 支援級（特別支援学級）とは
支援級は、通常の小学校や中学校の中に設置されており、発達に課題のあるお子さんが、通常の学級（普通学級）に在籍しながら、特別な教育を受けることができる学級です。主な特徴は以下の通りです。
- 在籍学級： 基本的に、地域の小学校の普通学級に籍を置きます。
- 授業内容： 個別支援計画に基づき、お子さんの発達段階や特性に合わせた教育が行われます。国語や算数などの基礎的な学習に加え、自立活動（身辺自立やコミュニケーション能力の向上など）の指導も行われます。
- 交流： 可能な範囲で、普通学級の児童との交流が行われます。一緒に授業を受けたり、休み時間に遊んだりすることで、社会性を育むことができます。
- メリット：
- 地域社会とのつながりを保ちやすい。
- 多様な価値観に触れ、社会性を育む機会が多い。
- 普通学級の友達との交流を通して、刺激を受け、成長を促すことができる。
- デメリット：
- 普通学級での授業についていくことが難しい場合がある。
- 周囲の理解が得られない場合、孤立感を感じることがある。
- 支援体制が学校によって異なり、十分な支援を受けられない場合がある。
1-2. 特別支援学校とは
特別支援学校は、幼稚園、小学校、中学校、高等学校の各段階に分かれており、発達に課題のあるお子さんのための専門的な教育機関です。主な特徴は以下の通りです。
- 教育内容： 個別支援計画に基づき、お子さんの特性や発達段階に合わせた専門的な教育が行われます。学習面だけでなく、生活面や社会性の育成にも重点が置かれます。
- 専門的な支援： 専門の教員や、必要に応じて医療・福祉の専門家によるサポートを受けることができます。
- 環境： 障がいのあるお子さんのための設備や、安全に配慮した環境が整っています。
- メリット：
- お子さんの特性に合わせた、きめ細やかな教育を受けられる。
- 専門的な知識や経験を持つ教員から指導を受けられる。
- 同じような課題を持つ仲間と出会い、共感し、支え合える。
- デメリット：
- 地域社会とのつながりが薄くなる可能性がある。
- 普通学校の友達との交流の機会が少なくなる。
- 通学に時間がかかる場合がある。
2. お子さんの特性を客観的に評価する
進路選択においては、お子さんの現在の発達段階や特性を客観的に評価することが重要です。IQや発達検査の結果だけでなく、日常生活での様子や、得意なこと、苦手なことなどを総合的に考慮しましょう。
2-1. 発達検査の結果を理解する
IQ52という結果は、軽度から中度の知的障がいを示唆しています。しかし、IQだけですべてを判断することはできません。検査結果の詳細な内容や、他の発達領域（言語、コミュニケーション、社会性など）の発達状況も確認しましょう。療育機関や主治医の先生に相談し、検査結果について詳しく説明を受けることが大切です。
2-2. 日常生活での様子を観察する
お子さんの日常生活での様子を観察し、得意なこと、苦手なこと、興味のあることなどを把握しましょう。例えば、
- 身辺自立：着替えや食事、排泄など、どの程度自立してできるのか。
- コミュニケーション：言葉でのやり取りや、他者とのコミュニケーションはどの程度できるのか。
- 学習：文字や数字への理解度、興味のあることへの集中力はどの程度か。
- 社会性：友達との関わり方、集団行動への適応力はどの程度か。
これらの情報を記録し、支援級や特別支援学校の先生に伝えることで、より適切な支援に繋げることができます。
2-3. 療育や保育園での様子を参考に
療育機関や保育園の先生は、お子さんの発達を専門的な視点から見ています。先生方の意見を聞き、お子さんの強みや課題、そしてどのような支援が必要なのかを把握しましょう。また、他の保護者の方々との情報交換も、進路選択のヒントになることがあります。
3. 支援級・特別支援学校の見学と情報収集
実際に支援級と特別支援学校を見学し、それぞれの教育環境を自分の目で確認することが重要です。見学を通して、お子さんに合った環境かどうかを判断するための情報を収集しましょう。
3-1. 見学時のポイント
- 教育内容： どのような授業が行われているのか、お子さんの特性に合った内容かを確認しましょう。
- 支援体制： 先生の数や、専門的な支援（言語聴覚士、作業療法士など）の有無を確認しましょう。
- 雰囲気： 先生や生徒たちの様子、学校全体の雰囲気が、お子さんに合っているかを感じ取りましょう。
- 設備： 教室の環境や、特別支援のための設備（教材、機器など）を確認しましょう。
- 交流： 支援級の場合は、普通学級との交流の様子を見学しましょう。特別支援学校の場合は、地域との交流の機会について確認しましょう。
3-2. 情報収集の方法
- 学校説明会： 学校説明会に参加し、学校の教育方針や、入学後の流れについて説明を受けましょう。
- 先生との面談： 担任の先生や、特別支援教育の担当の先生と面談し、お子さんの状況や、学校での支援について相談しましょう。
- 卒業生や保護者の声： 卒業生や、在校生の保護者の方に話を聞き、学校の評判や、入学後の様子について情報を収集しましょう。
- 自治体の相談窓口： 自治体の特別支援教育に関する相談窓口に相談し、地域の学校に関する情報を収集しましょう。
4. 親としての思いと、子どもの将来を見据えた選択
最終的な進路選択は、親御さんの思いと、お子さんの将来を見据えた上で決定する必要があります。お子さんの個性や可能性を最大限に引き出し、自立した生活を送れるように、最適な環境を選びましょう。
4-1. 親としての思いを整理する
お子さんの将来について、どのようなことを願っているのか、具体的に書き出してみましょう。例えば、
- 自立した生活を送ってほしい。
- 好きなことを見つけて、それを活かしてほしい。
- 社会の一員として、幸せに暮らしてほしい。
- 友達との交流を通して、豊かな人間関係を築いてほしい。
これらの思いを整理することで、お子さんの進路選択の軸が見えてきます。
4-2. 子どもの将来を見据える
お子さんの将来の可能性を広げるために、どのような教育環境が最適なのかを考えましょう。例えば、
- 社会性： 友達との交流や、集団生活を通して、社会性を育む機会が多い環境を選ぶ。
- 学習： お子さんの特性に合わせた、きめ細やかな教育を受けられる環境を選ぶ。
- 自立： 身辺自立や、生活スキルを身につけるための支援が充実している環境を選ぶ。
- 進路： 将来の進路（就労、進学など）を見据え、必要なスキルを身につけられる環境を選ぶ。
4-3. 最終的な決断
これらの情報を総合的に考慮し、お子さんにとって最善の選択をしましょう。決断に迷う場合は、療育機関や主治医の先生、学校の先生など、専門家の方々に相談し、アドバイスを受けることも大切です。
お子さんの進路選択は、親御さんにとって大きな決断ですが、決して一人で抱え込まず、周囲のサポートを受けながら、お子さんの成長を温かく見守りましょう。
もっとパーソナルなアドバイスが必要なあなたへ
この記事では一般的な解決策を提示しましたが、あなたの悩みは唯一無二です。
AIキャリアパートナー「あかりちゃん」が、LINEであなたの悩みをリアルタイムに聞き、具体的な求人探しまでサポートします。
無理な勧誘は一切ありません。まずは話を聞いてもらうだけでも、心が軽くなるはずです。
5. 支援級・特別支援学校の選択後、親ができること
進路選択後も、親としてできることはたくさんあります。お子さんの学校生活をサポートし、成長を促すために、積極的に関わっていきましょう。
5-1. 学校との連携
学校との連携を密にし、お子さんの学校での様子や、課題について情報を共有しましょう。担任の先生や、特別支援教育の担当の先生との定期的な面談を通して、お子さんの成長を一緒に見守りましょう。
5-2. 家庭でのサポート
家庭でも、お子さんの学習や生活をサポートしましょう。宿題を手伝ったり、身辺自立の練習をしたり、コミュニケーション能力を育むための声かけをしたりするなど、お子さんの発達段階に合わせたサポートを行いましょう。
5-3. 地域の情報収集
地域の情報収集を行い、お子さんの成長をサポートするための資源を活用しましょう。例えば、放課後等デイサービスや、児童発達支援などのサービスを利用したり、地域のイベントに参加したりすることで、お子さんの社会性を育むことができます。
5-4. 家族の理解と協力
家族全体で、お子さんを支える体制を築きましょう。兄弟姉妹がいる場合は、お子さんの特性について理解を深め、協力体制を築きましょう。祖父母や親戚にも、お子さんの状況を説明し、理解と協力を得るように努めましょう。
6. 成功事例から学ぶ
実際に支援級や特別支援学校に通っているお子さんの成功事例を知ることで、進路選択のヒントを得ることができます。ここでは、いくつかの成功事例を紹介します。
6-1. 支援級での成功事例
A君は、軽度の自閉症と診断され、小学校の支援級に通っています。彼は、人とのコミュニケーションが苦手でしたが、支援級の先生の丁寧な指導と、普通学級の友達との交流を通して、徐々にコミュニケーション能力を向上させることができました。また、彼の興味のある分野（乗り物）に関する学習を通して、学習意欲を高め、学力も向上しました。A君は、地域の中学校に進学し、部活動にも参加するなど、充実した学校生活を送っています。
6-2. 特別支援学校での成功事例
Bさんは、重度の知的障がいと診断され、特別支援学校に通っています。彼女は、身辺自立に課題がありましたが、特別支援学校の先生や、作業療法士のサポートを通して、着替えや食事などの身辺自立能力を向上させることができました。また、彼女の得意なこと（音楽）を活かした授業を通して、自己肯定感を高め、積極的に学校生活を送っています。Bさんは、卒業後、就労支援事業所を利用し、社会参加を目指しています。
6-3. 事例から学ぶこと
これらの成功事例から、以下のことがわかります。
- 個別のニーズに応じた支援： お子さんの特性やニーズに合わせた支援を受けることが、成長の鍵となる。
- 周囲の理解とサポート： 先生や友達、家族など、周囲の理解とサポートが、お子さんの成長を支える。
- 本人の意欲： お子さん自身の意欲を引き出し、自己肯定感を高めることが、成長を促す。
7. まとめ：お子さんの未来を信じて
小学校入学を控えた自閉症のお子さんの進路選択は、親御さんにとって大きな決断ですが、決して一人で抱え込まず、周囲のサポートを受けながら、お子さんの成長を信じて、最適な環境を選びましょう。支援級、特別支援学校、どちらの選択肢にも、メリットとデメリットがあります。お子さんの特性やニーズ、そして将来の目標に合わせて、最適な選択肢を見つけることが大切です。そして、進路選択後も、学校との連携、家庭でのサポート、地域の情報収集などを通して、お子さんの成長を支え、自立した生活を送れるように、積極的に関わっていきましょう。
お子さんの未来は、無限の可能性に満ちています。親御さんの愛情とサポートがあれば、必ず成長し、幸せな人生を歩むことができるでしょう。
“`